「マンションで楽器なんて常識がない」とポストに匿名の手紙→演奏会に招待した結果
コラム
2026/06/06
マンションの自室でヴァイオリンを練習している私のもとに、ある日匿名の手紙が届きました。厳しい言葉で書かれた苦情に動揺しつつ、思い切って手紙の主を「演奏会」に招待することにしたのです。
目次
ポストに入っていた一通の手紙思い切って書いた招待状玄関のチャイムが鳴った日曜日そして…ポストに入っていた一通の手紙
火曜の朝、ポストを覗くと、宛名のない白い封筒が入っていました。便箋にはきっちりとした文字で「マンションで楽器なんて常識がない。すぐにやめてください」と書かれていたのです。
誰が書いたのか。同じフロアの方か、上下階の住人か。10年続けてきた練習を、これからどうすればいいのか。封筒を手にしたまま、玄関でしばらく立ち尽くしていました。
弱音器はずっとつけていたし、練習は日中の1時間だけ。それでも誰かにとっては許せない音だったのかもしれません。自分の趣味が誰かを傷つけていたという事実が、頭から離れませんでした。
思い切って書いた招待状
週末まで、ヴァイオリンには触れませんでした。ケースを開けるたびに、手紙の文面が浮かんでくるのです。誰かを不快にさせ続けることは、私には耐えられないことでした。
週末を過ぎても気持ちは収まらず、それでも思い切って手紙を書きました。心当たりのある何軒かにだけ、白い便箋を投函したのです。
「先日のお手紙、ありがとうございました。お騒がせしていたこと、心からお詫びします。もしご都合よろしければ、一度だけお聴きいただけませんか」
返事は期待していませんでした。それでも、ただ怯えて練習をやめるよりは、自分から一歩踏み出したかったのです。
HOT ITEM玄関のチャイムが鳴った日曜日12