「ひとりのほうが落ち着く」と彼に決められ、物置の隣の部屋へ→引き戸の向こうで聞いた一言

コラム

2026/07/20

彼の「1人のほうが落ち着くタイプだから」の一言で、私は鍵のかかる奥の部屋で1人過ごすことになりました。けれど短い相談のあと、引き戸を叩いたのは彼でした。

引き戸の向こうから届く5人分の笑い声に、ふいに私の名前が混じりました。

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私の布団だけ、なかった「ひとりのほうが落ち着くタイプだから」のひとこと毛布を膝に、ひとりきりでそして…私の布団だけ、なかった

学生時代の友人4人と私たちカップル、合わせて6人で泊まりに来た宿でした。受付を済ませると、みんなは大広間にぞろぞろと荷物を運び込みました。布団を6組きれいに並べるはずが、見渡すと5組しか敷かれていません。

お菓子の袋が開けられ、缶ビールが回り、もう笑い声が上がっています。その輪のどこにも、私のぶんの布団はありませんでした。みんなが楽しそうに支度を進める横で、私だけ手持ち無沙汰に立ち尽くしていました。

「ひとりのほうが落ち着くタイプだから」のひとこと

部屋割りの話になったのは、ひと息ついたタイミングでした。「えっと、もう一部屋あるんだっけ?」と友人の1人が首をかしげ、私の名前が挙がります。「1人で平気?」と別の子が気づかうように声をかけてくれました。けれど私が答えるより先に、彼がみんなのほうを向いて言いました。

「1人のほうが落ち着くタイプだから」

何人かが、納得したようにうなずきます。私のことを、私より先に決められてしまったようでした。彼は鍵と毛布を手渡し、「奥の部屋、鍵かかるから」とだけ付け加えました。

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