「参観日来ないでって言ったでしょ」前夜にそう言った私→翌日廊下に立つ母の姿に泣いた
コラム
2026/06/03
私は中学2年生です。母とは2年前から会話がほとんどなくなっていました。特に、学校行事の話になると、つい強く当たってしまうことが続いていたのです。ところが翌日の参観日、教室の廊下に立っている母の姿を見つけたとき、私は前夜の自分を激しく後悔することになりました。
目次
母を強く突き放した夜友人の小さな声で気づいた姿後ろに下がる背中そして…母を強く突き放した夜
木曜の夜、母がリビングで「明日の参観日、5時間目だっけ?楽しみにしてるね」と話しかけてきました。私はスマホから目を上げずに「参観日来ないでって言ったでしょ」と返しました。前にも言ったのに、どうしてまた聞くのだろう、と苛立ったのです。
母は少しの間、黙ってから「わかった、行かないよ」とだけ答え、洗い物に戻りました。母の穏やかな声が、なぜか余計に私の気持ちを尖らせました。
父が単身赴任になってから2年、母は早朝のパートで家計を支えてくれています。それを知っているはずなのに、参観日の話になると、どうしても素直になれなかったのです。自室に戻っても、母の「わかった」という声が、頭の中で繰り返されました。
友人の小さな声で気づいた姿
翌日の5時間目、いつも通りの数学の授業でした。後ろを振り返ると、ちらほらと保護者の方が立っています。母がいないのを確認して、私は前を向きました。約束を守ってくれたのだ、と安心と寂しさが混ざり合いました。
授業の途中、隣の友人が小声で「あ、お母さん来てるよ」とささやきました。「来てない」と返そうとして、視線を廊下側の窓に向けました。母がそこに立っていたのです。
教室の中ではなく、廊下の奥の壁際に、母は一人で立っていました。袖口の擦り切れたベージュのコートのまま、こちらをじっと見つめています。私と目が合いそうになると、すぐに少し後ろに下がるのです。来ていないふりをしようとしているのだと、わかりました。
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