母が私の好物の「からあげ」を作らなくなった。実家に帰るたび膨らんでいく寂しさ
コラム
2026/07/24
実家の食卓に並んでいたのは、湯気の立つ手の込んだ料理ばかりで、私が一番好きだった「からあげ」は、どこにもありませんでした。
話しかけても鍋から目を離さない母の横顔に、私は遠ざけられている気がしてきました。
目次
変わっていく実家の食卓素っ気なくなった母思いきって言った一言そして…変わっていく実家の食卓
私が実家を出て、1人で暮らすようになって数年が経ちます。仕事の合間をぬって帰るたび、母は台所に立って私を迎えてくれました。子どものころから私の一番の好物は、生姜をきかせた母のからあげでした。帰省すると必ず食卓の真ん中にあって、それを食べると帰ってきたのだと実感できました。ところがここ最近、その皿が食卓から消えました。代わりに並ぶのは、聞いたこともない名前の煮込みや、きれいに盛りつけられた魚料理ばかりです。
素っ気なくなった母
母は新しい料理をおぼえることに夢中のようでした。私が話しかけても、鍋から目を離さずに短く返すだけです。そういえば少し前に帰ったとき、食卓を見て「お母さんの料理って、昔から変わらないよね。」と言ったことがあります。ただの世間話のつもりでした。あの一言と関係があるのかもしれないと思5つ、母の背中はもう次の料理に向かっていて、私は何も聞けませんでした。
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