「19年間…まぁほぼ憎しみしかないですけど」
2016年、師匠・蜷川幸雄の告別式で、藤原竜也はそう言った。
1997年、池袋の街角で、少年はチラシを渡された。
蜷川幸雄が演出する舞台『身毒丸』の主役オーディション。
応募は5537人。選ばれたのは、その少年だった。
稽古では「お母さん!」の一言を、何百回も叫んだ。
何度言っても、返ってくるのは「もっと肚の底から」。
その年、ロンドンで初舞台。15歳の天才新人と絶賛された。
高校は4日で辞めた。学ぶ場所は、稽古場だった。
2015年、自ら頼み込んで、蜷川の『ハムレット』へ。
蜷川は、こう言っていた。
「もっと苦しめ。…本当にどうしようもなくなったときに手を挙げろ。その手を俺が必ず引っ張ってやるから」
2016年5月11日、病室で2人は最後に会った。
翌日、蜷川幸雄は80歳で亡くなった。
告別式の前日は、藤原の34歳の誕生日だった。
「1997年、蜷川さん、あなたが僕を産みました」
「19年間…まぁほぼ憎しみしかないですけど、最高の演劇人生をありがとうございました」
「蜷川さん、それじゃあまた」
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映像:舞台の予告編・インタビュー・ニュース映像を解説のために使用しています。
♪ BGM:「Escort」もっぴーさうんど(OpenTracks)
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