2022年に逝去した鬼才・石井隆が遺した幻の脚本を『悪い夏』『名無し』の城定秀夫監督が今の時代に映画化した『雨のエトランゼ』が、2026年12月4日(金)月よりテアトル新宿他にて劇場公開することが決定した。
■イントロダクション
『死んでもいい』『ヌードの夜』『GONIN』から遺作となった『GONINサーガ』まで19本の監督作品を遺し、2022年にこの世を去った鬼才・石井隆。しかし、遺したものは他にもあった。生前、撮る機会をうかがいながら書き溜めていた何本もの脚本だ。そのうちの一作が、劇画家として名を馳せていた70年代に発表した劇画を、自ら脚本化し、晩年、病床でも繰り返し手を入れていたという「雨のエトランゼ」。そんな79年に生み落とされた物語が、今、令和の時代に蘇る!
石井隆の長年にわたる執念と遺志を継いで映画化を果たしたのは、今年に入って『名無し』『藁にもすがる獣たち』と、すでに二本の監督作を世に送り出している監督・城定秀夫。城定の愛と孤独、石井のエロスとタナトス、さらにバイオレンス描写までもが響き合う中、男と女の愛の切なさ、わからなさ、そして怖さまでをも滲ませた本作は、劇中、常に雨が登場人物たちを濡らしていたように、その衝撃と共に観客の心も濡らさずにはいないだろう。
突然だった。見知らぬ女が雨に濡れて立っていた―。
雨が絶え間なく降るその日にどこからともなくやってきた、「土屋名美」と名乗る女。過去の愛に傷つき彷徨い、さらに何度も傷つき壊れゆく名美。そんな彼女にどうしようもなく惹かれ、やがてそれぞれの形で運命を狂わされていく、編集長の村木とカメラマンの川島。彼らにとって天使とも悪魔とも、あるいは無自覚な地獄への案内人ともいえる名美を演じたのは、本作が初の主演作となる井筒しま。ハードなシーンにも果敢に挑みつつ、見る者を射抜くような大きな瞳を印象に残し〝運命の女〟を見事体現。また、名美に翻弄されていく二人の男は、各々石井隆と城定秀夫に縁のある者をキャスティング。村木は『GONINサーガ』に主演し石井隆の最後の現場を知る東出昌大、川島は城定秀夫監督作品常連の毎熊克哉が演じ、「名美のわからなさ」に翻弄されながらも囚われ続けていく姿を、それぞれの形で痛切に表現している。
さらには、石井隆が劇画、映画を通して描き続けてきた、男女のすれ違いの切愛の形である〝名美と村木〟を井筒と東出がどう作り上げたのかも、石井隆ファン納得必至の大きな見所となっている。
降りしきる雨、雨に滲むネオン管のビビッドな色彩の他、城定監督による石井隆へのオマージュも散見される本作は、ストーリーも、原作・脚本が石井隆だけに古典的なメロドラマと言えなくはない。だが、令和の時代に蘇ったこの物語を目撃した者は、それらが決して懐古的なものではなく、普遍性に満ちていることに気づくだろう。男たちに虐げられた女の傷とはいかに修復が困難なものなのか。そして、それを必死で愛し救おうとしても結局その手からすり抜けていく女を見送る他ないという、男が抱える孤独と諦念――。石井隆が常に描いてきたこの男と女のサガに時代は関係ない。いやむしろ、この時代にこそ見て、感じるべき物語なのだ。しかも劇場で!そう伝えているのが、城定秀夫監督によって今、世に放たれた『雨のエトランゼ』だといえるのである。
■あらすじ
とある撮影スタジオ。撮影に立ち合っていたサブカル雑誌編集長の村木(東出昌大)は、今、週刊誌のスキャンダル記事で話題になっている「人気女優の仁科陽子がかつてエロ本のヌードモデルだった」ことについて「村木さんが発掘した女でしょ」と聞かれるが、「覚えてないな」答える。しかし村木は知っていた。その女優は、かつてモデル募集の広告を見て編集部に面接に訪れた、当時大学生だった土屋名美(井筒しま)だということを。
3年前、その面接で、お金が必要だからヌードモデルも辞さないと言う名美を、村木はいったん帰宅させようとする。しかし、ちょうど編集部にいたフリーのカメラマンの川島(毎熊克哉)が、村木が席を外した隙を見て、カメラテストと称して名美に襲いかかったのだった。怒った村木は川島を排除し、いっとき名美と心を通わせ合うが、姿を消してしまい…。
井筒しま 東出昌大
毎熊克哉
監督:城定秀夫 原作・脚本:石井隆
エグゼクティブプロデューサー:藤本款 プロデューサー:秋山智則 阿知波孝 鈴木隆之 ラインプロデューサー:植野亮
撮影監督:早坂伸(JSC) 照明:森紀博 美術監督:鈴木隆之(APDJ) 音楽:安川午朗 録音:日下部雅也 整音・音響効果:東凌太郎
編集:清野英樹 グレーディング・本編:稲川実希 VFXスーパーバイザー:川村翔太 衣裳:天野多恵 ヘアメイク:五十嵐良恵
インティマシーコーディネーター:西山ももこ 助監督;石田和彦 制作担当:中村元 宣伝プロデューサー:小口心平 撮影脚本:城定秀夫
制作プロダクション:ファム・ファタル 製作幹事:クロックワークス 配給:NAKACHIKA
©2026「雨のエトランゼ」製作委員会
2026/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/90分/映倫(R15+)
公式サイト: nakachikapictures.com/ame-no-etranger
公式X: @ameno_etranger 公式Instagram: @ameno_etranger
8件のコメント
2026年の北香那
石井隆作品に東出昌大、なんかフィットする。
観たいですねぇ。
今度は井筒?…😢
不倫?
おぉ!
ピンク映画出身の城定監督が、石井隆作品に!
東出さんは、「次元を超える」等、ここ最近は燻り気味でしたので
主役として、本気っぷりを見せてほしいかと
なんかまた共演者と恋に落ちそうだね。
東出さんの表情が昔と違う。 優しさと深さがある。 昔は女たらしっぽくて嫌いだったが、今は逆、惹きつけられる。 山での生活で深い人間になったんだろう。 この映画見に行く。
へえ!