後輩の有休に嫌味を言った私が、その1日に何も起きなくて分かったこと
コラム
2026/09/27
「私に言われても困ります」。後輩のその一言で、私は自分が誰に向かって怒っていたのかを、初めて考えることになりました。
後輩が「有休」と口にした瞬間、私のペンは予定表の枠からはみ出していました。声を張ったのは、そうすれば後輩が引き下がると分かっていたからです。ところが、その日はいつもの流れになりませんでした。
目次
口をついて出た嫌味後輩が返してきた言葉モニターの前で分かった自分の焦りそして…口をついて出た嫌味
私はこの部署で15年、休暇の予定表を管理しています。その15年、自分の欄に「休」と書いたことはほとんどありません。入社3年目の後輩が私の席に来て、来週1日休みたいと申し出ました。気づいたときには、口が先に動いていました。
「有休とるの?皆頑張ってるのに」
自分でも大きすぎる声だと分かりました。向かいの席の同僚がこちらを見ましたが、私は予定表から顔を上げませんでした。後輩は課長に言われたのだと説明しました。それを聞いて、私は顔を上げ、笑って見せました。
「課長は現場のこと分かってないから。あなたが抜けた日、電話は誰が取るの?私?」
後輩が黙っている間に、私はもう1つ重ねました。
「3年目で先に有休の話をするなんて、余裕あるのね」
言い終わる前から、これは後輩を黙らせるための言葉だと分かっていました。それでも、止めませんでした。
後輩が返してきた言葉
後輩は引き下がりませんでした。
「会社に言われて取るんです。私に言われても困ります」
その通りでした。休めと言ったのは会社で、後輩はそれに従っただけです。私は返す言葉が見つからず、ペンの先で予定表を叩きました。後輩は私の手元を見ながら、はっきりと続けました。
「私が1日休んだぐらいで回らなくなるなんて、先輩は仕事の管理ができないんですね」
課長の席の方を見ました。課長はこちらを見ていませんでした。それがかえって、さっきの声が届いていたのではないかと思わせました。
「……そう」
それだけ言って、予定表を閉じ、モニターの方へ体を向けました。画面の文字を追っているふりをしながら、頭の中では後輩の言葉が繰り返されていました。
HOT ITEMモニターの前で分かった自分の焦り12