貯金を理由に旅行を断った僕が、「俺が正しい」の後に受け取った1行

コラム

2026/09/26更新

正しさを盾にしたのは、同じ言葉で誰かに切り捨てられた直後だったからです。届いた返信は、僕が身構えていたどの言葉とも違いました。

会議室の隅で、スマホに打ち込んだ文字を3回消しました。4回目に残ったのは、彼女への長い言い訳と、最後に付け足した「俺が正しい」の1行。送信を押したのは、間違いなく僕の指でした。

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「お前は正しいけど」と言われた日彼女に向けてしまった矛先届いた1行そして…「お前は正しいけど」と言われた日

その日の午後、僕は上司から呼ばれていました。担当先との段取りをめぐって、僕の主張が通り、代わりに同僚の案が流れた件でした。

「お前の言うことはいつも正しい。でも正しいだけじゃ誰もついてこないぞ」

上司はそれだけ言って席に戻りました。反論の余地はありませんでした。正しかったはずなのに、会議室に残った僕には、負けた側の空気しか残っていませんでした。

そのタイミングで、彼女からメッセージが届いたのです。

「連休、温泉行きたい。予約しちゃっていい?」

彼女に向けてしまった矛先

引っ越しのための貯金は、2人で決めたことでした。僕はそれを理由に、いつもより早く返しました。

「今は無理。引っ越し貯金優先って決めたよね」

「決めたけど、ずっと我慢はきついよ」

その一文を読んだ瞬間、僕の頭にあったのは温泉でも貯金でもなく、さっき言われたばかりの「正しいだけじゃ」という言葉でした。今日はもう、誰にも正しさを疑われたくなかった。だから理屈を並べました。

「去年も直前で予定崩れて無駄になっただろ。今回だって残業で行けるか分からない。無理して行って疲れて喧嘩するくらいなら、やめておく方がいい。俺が正しい」

最後の1行は、彼女に向けたものではなく、上司に言い返せなかった分でした。送ってから、それに気づきました。

届いた1行12

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