「彼氏いるのかな」を本人に誤送信した俺が、彼女に返事をする前に連絡した相手
コラム
2026/10/14更新
「同期の」と打っては消し、次の駅で降りた俺が先に開いたのは、彼女とのチャットではありませんでした。彼女への返事は、そのあとで送りました。
帰りの電車でつり革を持ち替えたとき、チャット一覧の一番上に彼女の名前が並んでいるのが目に入りました。送ったばかりの1通は、相談相手の同期ではなく彼女に届いていました。宛先を確かめたのは、送ってしまったあとだったのです。
目次
後輩に頼まれた、同期への質問「同期の」と打って消した返事彼女より先に送ったメッセージそして…後輩に頼まれた、同期への質問
発端は、同じ課の後輩でした。俺のデスクに来て、小声でこう頼んできたのです。
「同期なんですよね。彼氏いるか、それとなく聞いてもらえません?」
合同の飲み会で彼女と話して以来、ずっと気になっていたそうです。笑って引き受けたふりをしながら、内心は困っていました。同期の集まりで隣に座るたび、次も隣がいいと思っていたのは俺のほうだったからです。
どうしたものかと、同期の中でいちばん気安い男友達に相談しようとしました。彼女の名前に「さん」をつけて送り、続けて「彼氏いるのかな」。後輩の件はその下に書くつもりでした。けれど彼女とは資料のことでやりとりしたばかりで、一覧ではその同期のすぐ上に並んでいたのです。
「同期の」と打って消した返事
既読がついたのを見て、急いで打ちました。
「ごめん、送る相手まちがえた」
少し間があって、彼女から返事が届きました。
「いないよ。誰に送るつもりだったの?」
「同期の」と打って、消しました。共通の知り合いの名前を出せば、俺が誰かに彼女のことを相談していたと伝わってしまいます。かといって、自分が気になっていたと送る準備もできていませんでした。
つり革を握り直しているうちに、降りる駅を1つ過ぎていました。
彼女より先に送ったメッセージ12